西尾 慧吾(Yale University)

「人間各々の価値は、その人が熱心に追い求める対象の価値に等しい」 (『自省録』第7巻-3)

私たちが生きている世界はますます捉えどころのないものになろうとしています。新聞やニュースで見聞きする出来事は私たちから遠すぎる―それらは、私たちが決して共感をもって経験することの出来ない出来事の羅列のように思えます。学生の私たちにとって、世界を把捉することなど到底不可能。私たちは世界と関係を持つこと自体にシニカルになり、そこから疎外されるのを選びます。

しかし、この世界の不条理を直視しようと悪戦苦闘すること自体に価値があるとしたらどうでしょうか。確かにいくらもがいたところで世界を見極めることも、ましてや世界の構造を変えることも出来ないでしょう。しかれども、世界と関係しようと自ら脳漿を絞ること自体とても有意義なこと、そう私は信じています。先に引用したマルクス=アウレリウス=アントニヌスの言葉が真理を言い当てているとすれば、世界と関係を持とうと泥沼にはまっていくことによってこそ、私たちはこの世界で生きるに値する存在になることが出来るのではないでしょうか。今こそ袖手傍観的な思考回路の構造転換が希求されています。

キャリア甲子園は世界疎外から脱する大きなチャンス。答えがどこにもない無理難題に苦しみながら、世界への愛を獲得し、立派な「世界人」になるために… さあ、一歩を踏み出してみて下さい!

西尾 慧吾(Yale University)
キャリア甲子園2015優勝「MOTION」。当時灘高等学校2年生。
模擬国連や灘高校の生徒会長など、高校時代は勉強だけでなく自己研鑽に励む。
2017年4月に東京大学に進学し、同年9月からアメリカのイエール大学に進学。



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