キャリア甲子園の歴史 2014年度編

皆さんこんにちは、MFC運営事務局の羽田です。
今年で6回目を迎えるキャリア甲子園。この連載シリーズでは2014年から始まったキャリア甲子園の歴史を振り返っていきたいと思います。お時間あるときにご覧いただき、国内最高峰高校生ビジコンへの挑戦心を掻き立ててみてください!

キャリア甲子園を立ち上げたきっかけ

私は2013年にMFCを立ち上げました。趣旨としては、就活が始まる前から学生に企業や仕事について考える機会を作りたい、という想いで、企業様を招いたイベントやワークショップを定期的に開催していました。
イベントをやると、それなりに皆さん満足して帰ってもらえるのですが、わたしには何となく物足りなさがありました。それは、「たかだか数時間のイベントで人は変わらないよなぁ」というものでした。何となく満足して帰っても、翌日にはまたいつもの自分に戻ってる。そんな経験がわたし自身にもありましたし、参加してる学生さん達も何となく物足りなさを感じている気がしていました。

数時間の”参加して終わり”のイベントではなく、何らか参加するモチベーションが高く維持できるイベントができないものか?

そんなことを考えて悶々としていた頃、さいたまスーパーアリーナで開催される高校生向けの進学イベントでスペース貸すから、MFCとして何かやらない?と進学イベント運営チームから声がけをいただきました。進学イベントだから、企業がブースを構えて高校生と話せる企画などを考えましたが、何か違う。

折角さいたまスーパーアリーナという巨大な箱のスペースを使えるのだから、このスケール感を生かしたいな、と思って高校生が何かについてバトルする企画はどうだろう、と考えたのが、キャリア甲子園の最初のきっかけです(余談ですが、私は大の格闘技ファンでして、さいたまスーパーアリーナは格闘技にとってメッカなのです。だからここでバトルものをやりたい、と思ったのでした)。

MFCでバトルものであればビジコンかな、とアイデアはどんどん膨らんでいきました。高校生にビジネスプランを考えてもらい、それをさいたまスーパーアリーナでプレゼンしてもらう、というビジョンが一気に描け、「これだ!」と思い企画の細部を詰めていきました。
高校生対象で今後のキャリアを考えるきっかけになってほしい、という意味を込めてタイトルは「キャリア甲子園」に。名前は割とあっさりと決まった記憶があります。

そしてせっかく高校生に考えてもらうのだから、現代を舞台にした現実的で妥当なビジネスプランじゃ面白くない。2020年を舞台にした未来を見据えたビジコンにしよう、と大会テーマは「2020」となりました。

馴染みのクリエイターさんにお願いして大会ロゴをデザインしてもらい、また当時どんどん人気が出ていた京マチ子さんに大会コンセプトビジュアルを書き下ろしてもらいました。

大会ロゴ。結局その後、2016年まで利用しました。

京マチ子さんのキービジュアル。今見ても素敵です。

こうして、キャリア甲子園2014が動き始めたのです。

キャリア甲子園、始動。その後やってきた生みの苦しみ

ただ、絵は描けたものの実現に向けては多くのハードルがありました。

高校生にビジネスを考えてもらうなんて本当に出来るのか?いきなりハードル高くない?応募、集まるの?プロモーションイベントとかやったほうがいいよね?

使えるお金もほとんどなかったので社内のリソースだけで何とかする必要がありました。

ビジネス立案系の講座プログラムを自分たちで用意し、希望する高校生チームにはマンツーマンで指導しましたし、いろんな高校に出向いて高校の教室の中で授業しました。
でもプロモーションイベントを開催しても、誰一人高校生が来てくれない事もありました。企画したはいいけど本当に応募が集まるのだろうか・・・とビクビクしながら毎日を過ごしていた気がします。

またさいたまスーパーアリーナという巨大な箱でプレゼンするスケール感に見合うだけの審査員を用意しなくてはなりません。審査員がマイナビ関係者だけ、じゃしょぼいよね、と。
でも著名人をアサインするお金もない。そこで知り合いのツテをたどったり、これまでお付き合いのあった人脈を総動員して結果的には下記の7人の所属の方にご協力いただきました。いづれも各社の役職者です。

アステラス製薬様
学研様
経済産業省様
日立製作所様
マイクロソフト様
三菱商事様
全日本空輸様

そして共に高校生向けキャリア教育を推進するJTB様に協賛に入っていただき、優勝チームにNYツアーの商品を用意する事も出来ました。
まだ実績も実体もない中にご協力いただいたみなさんには本当に感謝です。

こうした企画やプロモーション、講座の運営、企業開拓などを全て、私含め四人の社員と学生スタッフだけで回す、しかも使えるお金はほぼ0というかなり過酷な企画でした。
あまりの業務量のあまり、食事制限も運動も一切せずに二ヶ月で8キロのダイエットに成功した事をよく覚えています。

今とは違うルール。予想外の応募数

初年度の決勝会場はさいたまスーパーアリーナ!

初年度である2014年度大会は今とは仕組みが違いました。そもそも応募が集まるか分からなかったので、書類審査の次がいきなり決勝大会。また企業がテーマを出すわけではなく、「2020年の〇〇を考える」というテーマの中から高校生が自由にビジネスプランを考える、というものでした。*なお、今とは時期も違い、4月スタートの決勝大会は7月末でした。夏の甲子園ですね。

決勝大会では8チームにプレゼンしてもらう事は決まっていたので、「ちゃんと書類審査が成り立つ10チームくらいの応募があればいいな・・・」なんて社内で話していましたが、蓋を開けてみれば1,000人の応募がありました。こんなに集まるとは完全に予想外で、土日にうちの役員を引っ張り出して審査をしてもらったりしました。また1000人の応募から8チームを選ぶのは余りにも酷だろう、ということで7チームだけ選抜し、残り1チームは急遽敗者復活戦を行って1枠を決めるという仕組みにしました。

とにかく、なにもかにもバタバタで急スピードで過ぎていったのです。

こうして、公正な審査を行って下記の8チームの高校生が決勝大会に進出することになりました。

渋谷教育学園渋谷高等学校
洗足学園高等学校
新座総合技術高等学校
筑波大学附属駒場高等学校
横浜みなと総合高等学校
広島学院高等学校・神戸女学院
豊島岡女子学園
青山学院高等学校連合チーム

特徴的なのは関東圏だけでしかプロモーションしてなかったのに、たまたまネットで見つけてきた広島の高校生が参加してきて決勝に残った事です。

広島学院の石井くん、下山くんはその後、キャリアインカレにも出場。

そして彼らは大学進学後、キャリアインカレにも出場し、そのうちの一人は優勝して現在は起業家として活躍しています。彼らがいたからこそ、「東京だけでやっていちゃだめだ」と強く感じて、翌年度大会から規模を全国に広げたのです。
彼彼女たちのインタビュー、ぜひご覧ください。
石井くんインタビュー下山くんインタビュー

大成功に終わったキャリア甲子園2014。そして強く思ったこと

キャリア甲子園2014は豊島岡女子学園の「TEAM SHOCK!」が優勝しました。彼女たちがプレゼンしたのは「ユーザの体のサイズを測り、それをデータとして蓄積してECアパレルサイトで一人一人のサイズと最適化する」というものでした。あれ・・・どこかで聞いたことありますよね・・・?2014年には高校生がこのアイデアをプレゼンしていたのです。

一つ、とても印象に残っていることがあります。それは決勝戦に進んだ横浜みなと総合高校のチームのこと。「企画部」という部活単位で参加していた子たちが決勝戦に残り、プレゼンの練習の様子を見に僕は彼らの部室を訪問しました。

決勝戦に進出する他の7チームのリストを見て彼女たちは言いました。

「他のチーム、偏差値高すぎない?私達なんて頭の作りからして絶対勝てるわけないし、まあ思い出づくりに適度に頑張ろ」

彼女たちは決して偏差値として高い高校ではなく、大学進学ではなく就職したりする子も多い高校です。一方、たまたまですが他の高校はいわゆるトップ進学校が多く、彼女たちは萎縮を通り越して開き直っていたのです。

「まあそう思うのも仕方ないか・・・」と僕も思って、彼女たちのプレゼン練習を見学していました。彼女たちのプレゼンは、アイデアとしては面白いものの、プレゼン自体はたどたどしく、小学生の演劇を見ているようでした。

ところが、それから2週間ほど経った決勝戦では、彼女たちのプレゼンは見違えるほど上達していました。僕は心底驚きました。半分投げやりだった子たちがたった2週間でこんなにも成長するなんて・・・!

そして優勝チームが決まって大会が終了し、僕は彼女たちを激励しに舞台裏に行きました。「すごかったよ!」と言いたかったのです。きっとやりきった満足感で溢れてるんじゃないかと。

しかしそこには、部活メンバー全員が泣きじゃくっている姿がありました。「勝ちたかった・・・」とチームメンバーの一人は言いました。

僕はその様子に胸を打たれました。「勝てるわけないじゃん」とヘラヘラしていたけど、本当は勝ちたかった。だからものすごく練習したし、結果として驚異的な成長を遂げた。決して思い出づくりのために参加したわけじゃなく、偏差値の高いやつらをぎゃふんと言わせてやるんだ、と勝ちに行っていたのでした。

結果は残念でしたが、ここまで大泣きしている彼女たちを見て、この大会をやって本当によかったと思いました。
僕が当初もやもやしていた「参加して終わりじゃなく、目指す動機があるイベント」が多少は形になったんだと思いました。

そして決勝戦の舞台に上がった8チームのプレゼンを見ていて強く感じたことがありました。

それは「高校生の底力はすごい」というものです。

本当に短期間に彼らは見違えるほどプレゼンが上手くなり、アイデアが研ぎ澄まされていきました。その成長スピードはちょっと驚くレベル。そして迎えた決勝大会、さいたまスーパーアリーナの大舞台で、日本を代表する大企業の皆さんの前で披露したプレゼン。

企業の皆さんも、驚いていました。口をあんぐりと開けて「高校生って、こんなすごいんですね」とつぶやいた方もいらっしゃいました。

日本はグローバルでは勝てないとか、ゆとり世代は根性がないとかいろんなことが言われていましたが、実際に機会を与えてあげれば高校生はこんなにもすごいんだと痛感したのです。

一方、このすごさを閉じられた空間で限られた人だけが見ているのは本当に勿体ないとも感じました。さいたまスーパーアリーナは大きな会場ですが、それでもその場にいる人はごくごく限定的です。
もっと彼らの存在を社会に発信しないといけない。高校生のヒーローを作っていかなければいけない。そうじゃないと、関係者がパチパチと拍手をして終わってしまう、と感じたのです。

キャリア甲子園2014が終了したその瞬間から、僕の中では翌年度2015年度大会の構想がもやもやとうごめいていたのでした。

続く

懇親会後集合写真、本当にありがとうございました!

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